DXへの取り組み
株式会社常盤商会
代表取締役 植村育夫
デジタル技術が社会に与える影響
コロナ禍を契機に、各業界で業務のデジタル化・オンライン化が急速に進展しています。これに伴い、システム活用が管理や 効率化といった従来の「守り」のみに留まっていた業界でも、インターネットを介した営業・販売活動や顧客接点 をオンライン化する取り組みが進んでいます。この結果、製品やサービスの開発強化、ビジネスモデルの変革を目的とした「攻め(売上拡大)」のシステム活用が想定を大きく上回る速さで急拡大しています。
経営ビジョン(DXビジョン)
当社は1957年設立以来、ICT技術と人財を活かし、顧客の期待を上回る価値ある製品とサービスを提供して参りました。
お客様が今何を求めているのか、又何を必要としているのかを考え、変化の激しい時代において、必要な情報やサービスをタイムリーに提供し、お客様に感動を与えるとともに、さらにお客様がより競争優位性を高められるように、お客様のニーズを第一に考え、コンピュータを通じてお客様に付加価値を提供出来る企業を目指します。
ビジネスモデルの方向性
これからの企業において、デジタルを活用し付加価値を創造していくことは競争優位性を確保するうえで避けて通れない道といえます。一方で、中小企業においては、様々な用途のシステムが独立して存在しており、例えば経営数字を把握しようにも手作業に依る集計であったり、データ集計に時間がかかるがために経験と勘による判断に頼らざるを得なかったりとデータ利活用が十分とは言えません。まだまだデジタルの力で売上拡大、生産性向上を図る余地は十分あると考えます。
当社はデータ活用を前提に、業務効率化、営業スタイル変革、経営数字の見える化に自らが取り組み、その取り組みから得た経験・ノウハウを外販し、お客さまのデジタル・データ活用による新しい価値創造を支援します。
また、当社はICT企業として新しい技術の取り込みや開発における技術トレンドを見据え,常に技術スキルをアップデートしており、お客様の提案活動へ活かしていくように努めております。
当社のDX戦略
<当社のDXプラットフォーム構築への取り組み>
当社はDXプラットフォームとして、基幹システムを始めとした各種社内システムの連携を実現し、データの一元管理による経営数字・業績数字の見える化(経営ダッシュボード、業績管理ダッシュボード)を実現して参ります。当社では、単純な経営数字の共有だけではなく、中小企業診断士資格を保有する社員による分析を高め、勘と経験による判断ではなく、数字、データに基づき収益力向上に向けた具体的なアクションへとつなげ、労働生産性の向上を図ります。
例えば、案件レベルでの収益の見える化を行い、低収益案件についてはその原因を原価データ等に基づき分析し、低収益になる原因を見つけ、以降の案件では、注力する案件の見極め、営業とスタッフの適切な人の配置、また、対応できる要員増に向けたスキル向上といった施策を打ち、労働生産性を向上させます。
また、経営情報のみならず、営業情報についてもSFA導入により一気通貫で管理して参ります。当社はこれまで顧客情報の活用が不十分でしたが、今後は顧客データを戦略的に活用したデジタルマーケティングにもチャレンジし、メール配信やウェビナー開催等により効率的な案件開拓を推進し、営業スタイルの変革を図って参ります。
<お客様へのDX推進提案>
当社はITシステムベンダーとして長年活動して参りました。クラウド化の進展により従来のサーバ等に代表されるハードウェア販売は減少が見込まれており、今後はお客様へのサービス提供を中心に事業構造を変化させていく必要があります。
当社は自社で取り組んだDXプラットフォーム構築のノウハウ、経験を元に、お客様の抱える課題についてシステムのタイプ別に最適なDX推進プラットフォームの提案を行って参ります。
特に、中小企業では、データ活用を前提に基幹システムを活かしながら、周辺システムの連携を図ることでDXを実現する等、様々なニーズが想定されます。当社は、お客様システムの全体を見据え、システム間連携を実現するツールの提供等、お客様のタイプに応じたDX推進を支援していきます。
このようなお客様への提案においては、経営情報の見える化等、当社自身が取り組んだノウハウ、経験が活きるものと想定されます。
当社は自社での経験値の向上を図りながら、お客様への提案活動をより付加価値を向上させて参ります。
更に、将来的には、現在産官学連携で取り組んでいる画像解析の技術を活かし、自治体・公共・民需問わず、幅広い業種での画像データ活用による新しいサービスの創出を進めて参ります。
DX推進体制
当社は上記戦略を実現するため、代表取締役を総責任者とするプロジェクトDXを立ち上げ、DX推進に取り組んで参ります。
DX人材育成
当社は戦略実現に向けた人材の育成・確保に注力して参ります。
企業の経営者に対して、経営数字の見える化を提案するにあたり、分析手法もあわせてご紹介することから中小企業診断士等の要員についても確保して参ります。
特に、当社は、宇部市、山口大学との産官学連携で衛星画像データの画像解析を試みるなど、新しい技術の修得を積極的に行っております。
また、多様化する価値観の変化に対応するため、DX人材の採用拡大&DXスキル育成推進を目指します。それには、リスキリングによる組織の再編成、ジョブ型雇用制度の促進と、ジョブディスクリプションの採用等により、社内DXを推進いたします。
<DX人材育成目標>
- 国家資格取得(中小企業診断士、社会保険労務士)2名
- Python技術者 2名 → 3名
- プロマネ要員 5名 → 8名
DX戦略推進に向けた環境整備
当社のIT投資予算では社内システムのデータを連携させるシステム開発やローコード開発の利便性を向上させるお客様へも提供可能なツール開発に重点的に配分しております。本ツールは2022年から開発をスタートさせており、2023年3月に完成予定です。
さらにはSFA等の営業情報の共有を行うためのクラウドサービスやICTインフラにも投資予算を配分しております。
DX戦略達成状況指標
2025年までに次の指標で取り組みます。
- 自社DXへの取り組みによる労働生産性向上を指標とします
- DX提案スキル向上のため、DX検定取得者数 10名
DX推進進捗状況
詳細は「DX推進進捗状況(PDF)」をご覧下さい。